家の模型と計算機と通帳

生活保護と資産

生活保護法4条は、「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。」と定めております。

生活保護を受けるためには、その人が資産のすべての活用することを求められています。

生活保護費の財源が税金である以上、資産を保有しながら生活保護を受けることはできません。

まずは、自身が保有する資産を活用して生活の維持に努めることを求められます。

つまり、自身の土地、建物、車、バイク、貯蓄型の保険を売却や解約して生活費に充てなくてはなりません。

ただし、一切の資産を保有できず、すべてを売却しなければならないわけではありません。

生活に必要なものであれば保有してよいことになっています。

以下では、どのような資産を、どのような状況で保有できるのか紹介させていただきます。

現金・預貯金

現金と通帳

生活保護を申請するときに、現金や貯金を一切、持っていてはいけないということはありません。

生活保護を受給できるかどうかの調査は、2週間から1ヶ月かかります。

特別な事情がない限り、調査の期間中は申請者に何も支給されませんので、その間の食費等の生活費は必要になります。

そのため、1ヶ月間の最低生活費の保有は認められています。

最低生活費とは、世帯の人数や年齢や住んでいる住所などをもとに、国が決めた基準で計算した1か月の生活費をいい、申請者によって異なります。

不動産

家

利用しうる資産を活用することは保護の要件であり、不動産については、売却することが原則です。

生活に利用していない土地や家屋は売却が必要ですが、居住用の持ち家については、保有が認められる場合があります。

ただし、持ち家の資産価値が高い場合など、状況によっては売却を求められることもあります。

持ち家の資産価値が高い場合とは、厚生労働省は「最上位級地の標準3人世帯の生活扶助基準額に同住宅扶助特別基準額を加えた額の概ね10年分」を売却すべきかどうかの判断基準としており、その金額は約2,000万円程度と表現しています。

これは、持ち家を売却して賃貸アパートに引っ越し住宅扶助として生活保護費を出すよりも、持ち家を保有させた方が生活保護費が安くなるケースもあり、その場合には持ち家を保有することが認められます。

また、住宅ローンがある持ち家はどうでしょうか?

保護費から住宅ローンを返済することは、生活保護費で資産を形成することになりますので、最低限度の生活を保障する生活保護制度の趣旨からは、原則として認められません。

ただし、住宅ローンの残額や支払期間が残り短い場合で、家の資産価値が低く売却するより、済み続けた方が良いと判断される場合には、保有しながら生活保護を受けることが認められます。

車

利用しうる資産を活用することは保護の要件であり、車についても、売却することが原則です。

理由は、車を所有するには、ガソリン代やメンテナンス費用、保険料、車検代などの維持費がかかります。

維持費を負担し続けるよりも、車を売却して生活費に充てたほうがよいと考えられているためです。

また、万が一交通事故を起こしてしまったときに、賠償金を支払うことが難しいのも要因のひとつです。

すべての事故が自賠責保険では補いきれませんので、任意保険に加入する必要性があり、生活保護を受給している方には、負担が大きいと考えられるからです。

そのため、車の所有だけではなく、車の運転も制限されますので、他人から車を借りて運転することも止めましょう。

ただし、以下のようなケースでは、例外的に車の所有が認められる場合もあります。

例外的に車の所有が認められるケース

  • 自身の事業のために車が必要なとき

生活保護の受給者が個人事業を営んでいて、仕事をするのに車が必要なが場合で、例えば作業道具の運搬や、商品の配達等に必要不可欠であると認められれば所有することができます。

  • 通勤や通院などに公共交通機関が使えない

障害をお持ちの方の通院や自動車による以外に通勤する方法が全くないか、きわめて困難である場合には、所有が認められる場合がありますが、車の処分価値が低い、2000㏄以下である、車を維持できる収入や援助がある等、状況によって条件がありますので、福祉事務所に相談してください。

  • 6ヵ月以内に生活保護が不要になる見込みがある

失業や傷病により就労を中断している場合の通勤用自動車については、処分することによって就労が困難になり、自立の可能性を奪う可能性があることから、6か月以内に生活保護が不要になることが確実とみられる場合、処分価値が低い車については、所有が認められる場合があります。

  • 保育園への送迎及び勤務のために車以外の方法がない

保育園への送迎及び勤務のために車以外の方法が全くないか、きわめて困難な場合で、公共交通機関が利用できる保育園がないか転入が困難な場合には、車を所有することが認められる場合があります。

バイク

バイク

利用しうる資産を活用することは保護の要件であり、バイクについても、売却することが原則です。

理由は車の所有と同じで、バイクを所有するには、ガソリン代やメンテナンス費用、保険料、車検代などの維持費がかかります。

維持費を負担し続けるよりも、車を売却して生活費に充てたほうがよいと考えられているためです。

また、万が一交通事故を起こしてしまったときに、賠償金を支払うことが難しいのも要因のひとつです。

すべての事故が自賠責保険では補いきれませんので、任意保険に加入する必要性があり、生活保護を受給している方には、負担が大きいと考えられるからです。

ただし、例外的に125㏄以下のバイクであれば、所有が認められる場合があります。

125ccを超えるオートバイについては、生活用品としての必要性は低くいので、保有は認められません。

原付バイク等の125㏄以下のバイクの所有が認められるケース

  • バイクが最低生活維持のために活用されており、処分するよりも保有している方が生活維持及び自立助長に実効があがっていると認められること。
  • 保有を認めても当該地域の一般世帯との均衡を失することにならないと認められること。
  • 自動車損害賠償責任保険及び任意保険に加入していること。
  • 保険料を含む維持費についての捻出が可能であると判断されること。

保険

生命保険

生命保険に加入している場合、原則として解約し解約返戻金を生活費として活用しなければなりません。

理由は、生活保護の原資は、税金ですので、その税金を使って貯蓄性のある生命保険に加入しすることは、資産を形成することになるからです。

また、生活保護を受けますと、医療費も葬祭費もかかりませんので生命保険に加入する必要性は低いと考えられるからです。

ただし、以下のような条件であれば、例外的に生命保険の解約が求められない場合もあります。

生命保険の解約が求められない条件

  • 死亡保障や高度障害保障を目的とした保険であること

解約返戻金の無い死亡保障や高度障害保障が目的であり掛け捨て型の保険であれば、加入できる可能性があります。

  • 保険料が低額であること

保険料が高い場合は「その高い保険料を生活費にまず回すべき」と考えられるため、保険料が低額であれば保険の継続が認められる場合があります。定額の判断は自治体により異なりますが、最低生活費の10%~15%程度が相場といわれています。

  • 解約返戻金が30万円以下であること

解約返戻金を受け取れる保険のすべてが認められないわけではなく、約返戻金の総額が30万円を下回るか、「医療扶助を除く最低生活費の3ヶ月分以下」に収まる金額であれば、継続が認められる場合があります。ただし、解約返戻金を受け取った場合には申告が必要です。

学資保険についても、原則は貯蓄型の保険であるため、学資保険の解約を求められ、解約返戻金を生活費に充てる必要があります。

理由は、生活保護の原資は、税金ですので、その税金を使って貯蓄性のある学資保険に加入しすることは、資産を形成することになるからです。

また、小中学生の場合は「教育扶助」を受けられ、高校生になれば「生業扶助」を受けられるため、入学する準備金などが必要ないためです。

ただし、以下のケースでは、例外的に学資保険を解約せずにすむ場合があります。

資保険を解約せずにすむケース

  • 学資保険の被保険者と受取人が同じ世帯に住んでいること。
  • 学資保険の使い道が、同世帯に住む子どもの学費に使われる。
  • 学資保険の満期受取時期が15歳満期又は18歳満期である。
  • 生活保護を開始する時点での解約返戻金が50万円を超えていないこと。

上記のような事情があっても、解約を求められる場合もありますので、福祉事務所とよく相談しましょう。

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