重要の記載がある封筒

扶養照会とは

生活保護を受けるためには、条件があり、生活保護法4条2項には、「民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。」と定めれれております。

つまり、生活保護を受けるためには、まず扶養義務者からの経済的な援助が優先しますので、扶養義務者に生活保護を希望する人の経済的な援助ができるかどうか確認をしてからになります。

ただし、親族の扶養義務は、「その親族の可能な範囲での援助を行うことができるか」を問うもので、援助可能な親族がいるだけで生活保護を利用(受給)できないものではありません。

日本では世間体や外聞といった他人の視線を気にする恥の文化があり、扶養照会があるために、生活保護申請を諦める方が非常に多いのも事実です。

また、行政による扶養照会が、実際の扶養に結びついたのは、1%以下だったというデータもあり、不合理な扶養照会には、批判があります。

扶養義務者とは

扶養とは、自分の稼ぎで生計を立てられない家族や親族に対して、経済的な援助を行うことをいいます。

民法第877条第1項で、直系血族および兄弟姉妹は、お互いに扶養をする義務がある旨が定められています。

直系血族とは、父母・祖父母・曾祖父母・子ども・孫・ひ孫などのことをいいます。

そして、民法第877条第2項で、家庭裁判所は、特別の事情があるときは、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができると定められています。

三親等内の親族とは、曾祖父母・ひ孫・おじ・おば、おい・めいがこれにあたります。

また、夫婦間にも、民法第752条に基づく相互協力扶助義務が定められています。

扶養照会の方法

重要の記載がある封筒のイラスト

扶養が可能であるかの確認は、書面を郵送する方法によって行われ、援助が可能かどうか質問を受けた親族は、扶養の可否について記入し、役所に返送します。

質問の内容は、金銭的援助にあたる仕送りができるか、精神的支援にあたる定期的な訪問や電話連絡などが可能かどうか尋ねられます。

また、扶養義務者である親族の家族構成や職業、年収、資産状況などを聞く項目があります。

通常、扶養照会は、親・子・兄弟姉妹・祖父母・孫の二親等以内の親族に対して行われます。

ただし、例外的に過去におじ・おばから援助を受けていた等の事情がある場合は、三親等の親族に問い合わせが行くこともあります。

扶養照会は拒否できるのか?

本来、生活保護を受けられる生活水準であるのに、生活保護を受けている世帯はその内の20%~30%であるというデータがあります。

これは、扶養照会によって、親族に生活保護のことを知られたくないと躊躇する方々が少なくないことも、原因の一つだと考えられており、扶養照会への批判は強くなっております。

そのため、厚生労働省は、一定期間(例えば 10 年程度)音信不通が続いているや相続をめぐり対立している、借金をしている等の著しい関係不良の場合、70歳以上の高齢者、未成年者、専業主婦・主夫などの「扶養義務の履行が期待できない者」に対しては扶養照会をしなくてよいと自治体に通知を出しました。

そして、扶養義務者から虐待・DVを受けたなどの場合は、その扶養義務者に扶養照会はしてはいけないことになっております。

また、生活保護の申請者が扶養照会を拒んでいる場合には、特に丁寧に聞き取りを行い、その方の扶養義務者が扶養義務履行が期待できない者にあたらないか、扶養照会をしなくてもよい場合でないか検討するということが明確になりました。

ただし、厚生労働省からのこのような通知があっても、扶養照会をしようとする自治体は完全にはなくならないと思われます、当事務所では、生活保護申請の同行もしておりますので、ご連絡ください。

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