
生活保護の不正受給とは
生活保護制度は、生活に困窮している方の最低限度の生活を保障することや自立を助長することを目的としており、また、生活保護費の原資は税金であり、生活保護費は適正に活用する必要があります。
生活保護費を適正に支給するために、生活保護を受けている世帯の方々は、収入があったときや世帯の人数が増えたり減ったりしたとき等、生活に変化があったときには、速やかにまた正確に福祉事務所に届出をしなければなりません。
この届出を怠ったり、事実と異なる申請をしたり、不正な手段を使って生活保護費を受け取ることを不正受給といいます。
不正受給の例
- 就労収入(働いて得た収入)、年金収入、その他の何らかの収入(各種手当、保険金、仕送りなど)を得ているにもかかわらず申告していない、あ
るいは虚偽の申告をしている。 - 土地、家屋、自動車などの資産を保有しているにもかかわらず申告していない、あるいは虚偽の申告をしている。
- 福祉事務所に届け出ている世帯員以外の者と同居している。
- 暴力団員であるにもかかわらず、生活保護を受給している。
働いて得た収入があったとしても、その収入が最低生活費(1か月間生活するために必要な最低限度の生活費)に満たない場合には、その不足分は生活保護費が支給されますので、必ず得た収入を福祉事務所、ケースワーカーに適正に申告してください。
また、土地、家屋、自動車等の資産は、一定の条件を満たすことにより、処分せずに継続して保有することが認められる場合がありますので、隠して所有するのではなく、福祉事務所、ケースワーカーに相談してください。
これは収入にあたるのか、これは資産にあたるのか等、わからないことがあれば、自分で判断するのではなく、必ず福祉事務所、ケースワーカーに相談してください。
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不正受給防止のための対策
自治体や福祉事務所では、不正受給の防止及び早期発見のため以下のような対策がとられたいます。
不正受給防止のための対策
- 届出の義務の説明
福祉事務所では、生活保護が始まった時、また継続して保護を受給する方には、書面及び口頭により、生活上の変化があったときの届出の義務について説明しています。
- 家庭訪問による生活上の確認
生活保護を受けている世帯の自宅を定期的に訪問し、生活、就労、求職状況を尋ねたり、相談に応じることによって、生活保護を受けている世帯の方々の生活上の変化について確認を行っています。
- 課税調査等
給与等を支払った事業者は、従業員が居住する市町村の課税担当課に報告を行います。課税担当課に報告のあった給与額と福祉事務所に申告のあった収入額を比較し、差異がないか調査しています。差異が生じた場合は、更なる調査を行い未申告収入の有無について確認を行っています。
- 警察官OB職員による調査
自治体によっては、警察官のOBを職員として福祉事務所に配置し、元警察官としての専門的な見地から、不正受給事案に対する調査や検討、並びに悪質な事案に対する告訴手続きに係る調整を行っています。
不正受給への対応
福祉事務所による調査の結果、不正受給であると判断された場合は、その世帯に対して不正に受給した生活保護費の返還を求めたり、必要に応じて指導及び保護の変更・停止・廃止がおこなわれます。
なお、その不正受給が意図的に行われたものであったり、生活保護費の返還に応じない場合など悪質な事案については、告訴されるケースもあり、告訴となったときには、生活保護法第85条に定める罰則が科されます。
生活保護法第78条(費用等の徴収)
不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた者があるときは、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の額の全部又は一部を、その者から徴収するほか、その徴収する額に100分の40を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。
生活保護法第85条(罰則)
不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。ただし、刑法に正条があるときは、刑法による。
不正受給事件の事例

不正受給の事例としては以下のようなケースがあります。
不正受給事例
- 平成25年5月 東京都足立区
74歳の単身女性がビル清掃のパートで約10万円の月収がありましたが、無職無収入と偽って申告し、足立区から生活保護費約440万円を不正に受けとり、福祉事務所が調べたところ、申告されていない給与収入があることが判明し、不正が発覚し、東京地方裁判所懲役3年判決。
- 令和5年2月 千葉県松戸市
40代男性が同居している家族を含め、就労先から受領している給与額を、すみやかに正確に届け出る義務があったにもかかわらず、故意の意思を持って、何らかの不正の手段、方法による過少の収入申告及び無申告等の虚偽申告を行い、921,034円を不正に受給した。
- 平成 24 年 6 月 北海道札幌市
50代男性が自動車を複数台所有していながら、これを福祉事務所に申告せずに生活保護申請をし、不正に生活保護費1,415,516 円を受給していたことから、詐欺罪が成立すると判断したことから、告訴状を提出した。
- 令和5年5月 京都府京都市
バイク任意保険給付金を受領していたにも関わらず、伏見福祉事務所に申告せず、令和2年9月、同年11月及び令和4年10月の3回にわたり、不正に生活保護費59,543円を受給した詐欺罪の容疑。
収入や資産があれば、福祉事務所、ケースワーカーに適正に申告し、収入や資産にあたるのか不明の場合やわからないことがあれば、自分で判断するのではなく、必ず福祉事務所、ケースワーカーに相談してください。
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