小学生の姉と弟

小学生・中学生(教育扶助)

小学生と中学生

義務教育を受けている小学生・中学生がいる生活保護受給世帯には、お子様がしっかりと義務教育を受けられるように、教育扶助の制度があります。

教育扶助はあくまでも、義務教育を対象としているため、保育園生・幼稚園生、高校生、大学生・専門学生は対象外になります。

ただし、高校生は生活保護の生業扶助を受けることができますし、他の学生も無償化制度や奨学金制度によって通うことは可能です。

義務教育を受けるには、入学準備、教材費、給食費、クラブ活動費、PTA費等の費用が必要になりますので、その費用が現金で支給されます。

基準額

基準額とは、小学校・中学校に在籍する子どもがいるすべての生活保護受給世帯に、毎月支給される金額です。

基準額は鉛筆、消しゴムやノートなどの消耗品に充てるためのもので、自由に使うことができます。

基準額については、以下の金額が毎月の生活保護費に上乗せされて支給されています。

  • 小学生一人につき2,600円
  • 中学生一人につき5,100円

入学準備金

小学生・中学生に入学するときには、ランドセルや通学カバン、学生服に体操服等の入学を準備するための費用が必要になります。

そのため毎月の生活保護費とは別に入学準備金として、以下の金額が支給されます。

  • 小学校入学時 64,300円以内
  • 中学校入学時 81,000円以内

教材費用

毎年学年が上がるごとに、新しい教科書、辞書、ドリル等の費用が必要になりますので、教材費が年に1度実費で支給されます。

教材は学校が指定するものに限られ、音楽の授業に使うリコーダー等も教材費に含まれます。

教材費の支給を受けるときには、領収書が必要ですので、必ず保管しておきましょう。

給食費用

学校給食費とは、学校の給食費用を支払うために支給されます。

学校から請求される給食費全額が、毎月の生活保護費に上乗せされて支給されています。

交通費用

小学生・中学生の場合、通学は徒歩と自転車のケースが多いですが、稀に電車やバスで通学することもあると思います。

そのような場合は交通費が全額支給されます。

ただし、別料金のかかる特急や急行は利用できず、定期券に関しても最も経済的な6か月など、通学に必要な最小限度の額の支給になります。

学習支援費用

学習支援費とは、小学校のクラブ活動費や中学校の部活動費に充てるために支給されるお金です。

以前は、教材代に含まれない学習参考書等の購入費も対象でしたが、2018年10月以降は児童養育加算から支出する必要があります。

また、月ごとに定額支給されてきた学習支援費は、上限額を定めた年度単位の実費支給に変わりました。

年間上限額は、以下の通りです。

  • 小学校 16,000円以内
  • 中学校 59,800円以内

学級費用

学級費とは、PTA会費や生徒会費に充てるために支給されます。

以下の金額を上限として毎月支給されます。

  • 小学生1,080円以内
  • 中学生1,000円以内

修学旅行費用

修学旅行の費用に関しては、教育扶助の対象外ですが、就学援助制度から全額が支給されます。

就学援助制度は、子どもを小・中学校へ就学させるのにお困りの方に対して、学校での学習に必要な費用を援助する制度です。

生活保護の教育扶助では賄われない「修学旅行費」、「学校病医療費」を支給しており、経済的な理由によって、修学旅行に参加できない、必要な治療が受けられないといったことがないよう、保護者が負担する実費が支給されます。

高校生(生業扶助)

高校生の男の子と女の子

義務教育を受けている小学生・中学生は、教育扶助を受けられますが、高校生は教育扶助ではなく、生業扶助を受けることによって、高校に通えます。

高校は義務教育ではありませんが、高校進学率は98%を超えており、将来、就労するためにも高校卒業は必須であると考えられているからです。

生業扶助は、要保護者の稼働能力を引き出し、助長することによって、その者の自立を図ることを目的としていますので、高校生は生業扶助が受けられるのです。

高校生が受ける生業扶助は、高等学校等就学支援金等と呼ばれます。

高校生が高等学校等就学支援金等を受けるためには、在学証明書の提出を求められますので、高校に発行してもらいましょう。

高校へ進学すると、入学準備、教材費、クラブ活動費、PTA費等の費用が必要になりますので、その費用が現金で支給されます。

高等学校等就学費として支給できるもの

  • 基本額

学用品費、通学用品費等を購入する費用に充てるために、月額5300円支給されます。

  • 教材費

正規の教材として学校長又は教育委員会が指定するものの購入又は利用に必要な額が支給されます。申請時には領収書が必要になります。

  • 授業料

高校無償化により、授業料はかからないため支給はありません。

  • 入学料

入学費に充てるために、高等学校等が所在する都道府県の条例に定める都道府県立高等学校における額が支給されます。

  • 入学考査料

受験する際の受験料に充てるため支給され、原則として2校目までで、30,000円以内になります。

  • 入学準備費用

学生服、通学用カバン、靴や体操服など学校指定用品等を購入する費用に充てるために、87,900円以内で支給されます。

  • 交通費

通学に必要な交通費に充てるために、通学に必要な最小限度の金額が支給されます。通学に必要な自転車の購入費用や駐輪場代も含まれます。

  • 学習支援費

クラブ活動等(学校で実施するものだけに限定せず、地域や保護者が密接に関わって行われる活動等も含む)に要する活動費用のために実費で支給され、年額84,600円以内です。領収書等、金額が確認できる資料が必要です。合宿や大会参加にかかる交通費・宿泊費が必要な場合は、特別基準の設定あります。

  • 学級費等

学級費、生徒会費及びPTA等に充てるために、月額2,330円以内で支給されます。

大学生・専門学生

大学生の男と女

現在、生活保護世帯の方は、大学に進学することはできません。

日本国憲法第25条は「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定めておりますが、日本では未だ大学進学は最低限度の生活と考えられてはおりません。

しかし、大学進学率は50%、専門学校を含めると80%を超えており、高校卒業後多くの方が就職よりも進学を選択していることがわかります。

また、より良い就職先を見つけるには、高校卒業よりも、大学や専門学校を卒業した方が良いと考えられ、貧困の連鎖から抜け出すためには、進学することは重要だと思われます。

それでは、生活保護世帯の子どもは、絶対に大学・専門学校に通うことはできないのでしょうか?

以下では大学・専門学校に通う方法について説明させていただきます。

世帯分離をしなければならない

生活保護世帯の方は、大学に進学することはできませんので、その方だけを世帯分離する必要があります。

生活保護は世帯単位が原則ですが、特定の人のみ生活保護の対象から外すことができ、これを世帯分離と呼びます。

世帯分離をすることで、生活保護を受給している家族とは別の世帯になり、大学に進学することができるようになります。

世帯分離をしたからといって、家を出る必要はなく、これまで通り家族と一緒に住むことはできます。

ただし、大学へ進学される方は、生活保護の対象外となってしまうため、その分、家族がもらえる生活保護費は少なくなってしまいます。

そのため、大学へ進学される方の生活費等は、自分でアルバイト等をして、稼がなくてはなりません。

また、大学へ通われる方は、医療扶助から外れてしまうため、国民健康保険に加入し、国民健康保険料を支払う必要があり、自己負担分の医療費も負担することになります。

以前は世帯分離をすると、世帯人数が減るため、住宅扶助も減額されていましたが、法律の改正により、住宅扶助の減額はされません。

給付型奨学金授業料の減免

2020年に始まった高等教育の修学支援制度は別名「大学無償化制度」ともいわれ、授業料等の減免や給付型奨学金を受けることができるようになり、生活保護世帯の方でも、大学等に進学しやすくなりました。

対象となる学校は、所定の大学・短期大学・高等専門学校・専門学校で、すべての学校でないことには注意してください。

対象となる学生は、住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生で、生活保護を受けている世帯や、前年中の合計所得金額が市区町村で定める金額以下の世帯等です。

世帯年収により、全額支援、3分の2支援または3分の1支援となるかが決まり、学業成績や学修意欲に関する条件もあります。

大学無償化制度といわれていますが、授業料の減免には上限があり、国立、私立、文系、理系等の違いによって、給付型奨学金では足りず、その場合には、アルバイト等で不足分を補う必要はあるでしょう。

また、大学等の受験料、通学のために必要な、服、バック、パソコン等の入学準備費用、一人暮らしのための費用等が必要になるため、高校時代からアルバイト等でお金を貯めておくべきでしょう。

大学等進学のためのアルバイトは、生活保護の「収入認定」から除外されますので、必ずケースワーカーに申告してください。

それでもお金が足りない場合には、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の奨学金、社会福祉協議会の生活福祉資金貸付金の教育支援資金、ひとり親家庭向けの母子父子寡婦福祉資金貸付金等があります。

しかし、いずれの制度も返済の必要がありますので、ケースワーカーとよく相談して、返済計画を立てて、借りるようにしましょう。

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