
生活保護の条件
生活保護とは、資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。(支給される保護費は、地域や世帯の状況によって異なります。)
具体的には、生活保護費は、生活保護申請をする世帯の収入が、国の定める最低生活費に満たない場合に、その足りない分の保護(保護費の給付)が受けることができ、最低生活費は、同居家族のそれぞれの年齢および世帯人数と居住している地域によって決定されます。
ただし、生活保護の財源は税金であり、国民の最低生活を保障する最終の手段であることから、生活保護を受けるには条件があります。
まず、生活保護は世帯単位で行われ、世帯員全員が生活保護の条件に当てはまる必要があります。
生活保護法第10条では、「保護は、世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとする。」として、世帯単位の原則を定めております。
生活保護を受給するために必要な条件は、主に生活保護法第4条に定められています。
生活保護法第4条1項では、「保護は生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。」
また、2項では「民法に定める扶養義務者の扶養及びその他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。」
つまり生活保護を受けるには、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、活用することが前提であり、また、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。
それでは、「資産、能力、その他あらゆるもの、扶養義務者の扶養」とは、具体的にどのような事を指すのでしょうか?
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資産の活用

現在持っている資産は生活のために活用しなければなりません。
資産とは、土地・家屋・預貯金・保険の解約金・自動車・バイクなどお金に換えられるもので、これらの資産があれば、売却等をし現金に変え、生活費に充てなければなりません。
なお、ローン等のない居住用の住居、仕事等で絶対に必要な自動車など、資産の使用目的や金額など一定の条件により、保有が認められる場合もあります。
保有が認められる条件は以下のようなものになります。
- 現金・預貯金
銀行預金・財布にあるお金の合計額が、少なくとも生活保護の給付額(1ヶ月分)を下回っている状態であることが必要です。
- 土地・家屋
住居として利用する場合は、所有が認められる場合があります。ただし、売却した時の価格が高いなど、住むより売却した方が適していると判断された場合に、売却を求められる可能性があります。
住宅ローンを支払い中の場合、ローンを払いながら生活保護を受けることは、原則認められていません。ローンの支払いを延期できる場合、ローンの支払額が少ない場合は例外的に生活保護の支給が認められる場合があります。
- 自動車
原則、自動車の保有は認めらないため、車を売却し、そのお金を生活費に充てる必要があります。ただし、公共交通機関が利用でず通勤や通院に欠かせないとき、自身の事業に必要なときなど、特別な理由があるときには、認められる場合があります。
- バイク
原則バイクの保有は認められませんが、総排気量125cc以下のオートバイ及び原動機付自転車については、自動車損害賠償保険及び任意保険に加入しており、最低生活維持に必要な場合は保有が認められることがあります。
- 貴金属
高価な貴金属は保有がみとめられていません。
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能力の活用
能力の活用とは、稼働能力の活用のことを指し、働くことのできる方は、その能力に応じて働いて収入を得なくてはならず、無職の方は、仕事を探さなければなりません。
現在無職の方でも、仕事を探しながら生活保護を受給することも可能です。
働く意欲があるにもかかわらず、職を得ることができない場合なども保護の対象となりますが、仕事をどのように探しているかを福祉事務所の方に伝えなくてはなりません。
多くの場合では、ハローワークなどを利用して求職活動を行います。
また働いていても国が定める最低生活費に満たない場合には、生活保護は受けられます。生活保護費に満たない部分が支給されるかたちとなります。
病気やけがを理由に働くことができない人は、医者の指示に従って治療に専念し、回復に努める必要があります。
その他あらゆるものの活用(その他の制度の活用)
他の制度で給付を受けることができる場合には、まずそれらを最大限利用して、生活費に充てる必要があります。
他の制度の給付には、以下のようなものがあります。
- 年金
- 雇用保険
- 児童手当
- 児童扶養手当
上記、年金等は収入とみなされ、足りない分を生活保護で補うかたちとなります。
扶養義務者の扶養(扶養照会)
親族等の扶養義務者から支援が得られる場合、その支援を受けることを求められます。
親族等とは主に、配偶者、両親、子、孫、祖父母、兄弟姉妹です。
ただし、親族の扶養義務は、「その親族の可能な範囲での援助を行うことができるか」を問うもので、援助可能な親族がいるだけで生活保護を利用(受給)できないものではありません。
扶養が可能であるかの確認は、書面を郵送する方法によって行われ、援助が可能かどうか質問を受けた親族は、扶養の可否について記入し、役所に返送します。
これを扶養照会といいます。
扶養照会については、特別の事情がある場合、親族に通知をしないように申し入れることも可能です。
日本では世間体や外聞といった他人の視線を気にする恥の文化があり、扶養照会があるために、生活保護申請を諦める方が非常に多いのも事実です。
また、行政による扶養照会が、実際の扶養に結びついたのは、1%以下だったというデータもあり、不合理な扶養照会には、批判があります。
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